【動画編集】Microsoft Clipchamp無料版(Windows標準)の使い方・操作を解説

動画編集をしたいけれど、専門的なソフトは難しそうだし、高価だし…と思っている方は多いのではないでしょうか? そんな方におすすめなのが、Windows 11に標準で搭載されている動画編集アプリ「Clipchamp」。

このアプリは、初心者でも直感的に使えるシンプルなインターフェースと豊富な機能を備えており、しかも無料で利用できます。

この記事では、Clipchampのインストールから起動までの手順とできること、基本的な動画編集の方法、やりたいこと別の動画編集のやり方、エクスポートの方法、無料版と有料版のプラン料金と機能比較などを解説します。

初めてでも直感的に使える動画編集アプリ「Clipchamp」とは?

Windows 11で動画を作成するにはどうすればいいでしょうか? 実は、Windows 11には「Clipchamp(Clipchamp-動画エディター)」と「ビデオエディター」という2つのアプリが標準搭載されているので、わざわざ有料ソフトを購入する必要はありません。

Windows 10でも利用できる「ビデオエディター」でも、簡単な動画編集はできますが、やや使いにくく、「Clipchamp」のほうが高度な編集が可能。かつシンプルなインターフェースで直感的に使えます。それもそのはず、もともと「Clipchamp」は有料アプリでしたが、2021年にMicrosoftが買収。現在では、Windows 11に組み込まれ、誰でも無料で使うことができます

「Clipchamp」では、動画や写真素材をドラッグ&ドロップして、動画を分割・結合、さらに、テキストの挿入、トランジションの挿入、音楽の挿入、画像の調整といった本格的な動画編集が可能です。

また、タイトルや音楽などのフリー素材もテンプレートが用意されており、誰でもすぐに見栄えの良い動画を作成できます。

しかも、最大1080p のHD画質で出力(エクスポート)でき、完成した作品を直接動画共有サービスの「YouTube」や「TikTok」にアップロードしたり、「Google Drive」や「OneDrive」などのクラウドで共有することも可能です。

Clipchampのインストール~起動までの手順とできること

Clipchampのインストールから、基本的な機能についてご紹介します。

Clipchampのインストール~起動までの流れ

「Clipchamp」はWindows 11の「スタート(Win)」メニューから「すべてのアプリ」を開けば見つかります。ない場合はWindowsをアップデートするか「Microsoft Store」から探してインストールしてみましょう。

①Microsoft Storeにアクセスし、「インストール」をクリックします

②続いて「入手」をクリックし、アプリのインストールをしましょう

③インストールが完了したら「開く」をクリックし、アプリを起動します

④まず、名前を入力します

⑤続いて「Clipchampを使ってどのような動画を作成したいですか?」の質問に当てはまるものをクリックして回答します

以上で登録が完了し、「Clipchamp」が起動します。動画編集を始める際は、⑥「新しいビデオを作成」をクリックし編集画面を開きます

ツールバー(画面左側)でできること

画面左のツールバーでは、10種類の操作をができます

・「メディア」…素材のインポートや、インポートした素材が格納されています。
・「録画と作成」…PCのカメラで撮影したり、画面録画が可能。音声変換もできます。
・「テンプレート」アップロード先に合わせたテンプレートやデザインが用意されています。
・「音楽とサウンドエフェクト」…動画に挿入したいサウンド、効果音が用意されています。
・「ストック動画」…無料/有料の動画素材が用意されています。
・「ストック画像」…無料/有料の画像素材が用意されています。
・「テキスト」…動画にテキストを入れたり、タイトルを入れることができます。
・「グラフィックス」…動画内に貼り付けられるステッカーや、背景などが用意されています。
・「切り替え」…クリップ間に入れるエフェクトが用意されています。
・「ブランドキット」…有料版機能で、ロゴやフォント、カラーを登録できます。

ツールバー(画面右側)でできること

画面右のツールバーでは、9種類の操作ができます

・「キャプション」…自動字幕を付ける設定を行うことが可能。言語の選択などもできます。
・「オーディオ」…音量の調整ができます。
・「フェード」…フェードイン/アウトの設定ができます。
・「フィルター」…素材にフィルターを付けることができます。
・「効果」…素材にさまざまな効果を付けることができます、。
・「色を調整」…素材の色調整ができます。
・「速度」…メディアの速度を変えることができます。
・「トランジション」…「切り替え」と同じくトランジションを設定できます。
・「色」…項目の色を変更ができます。

【基本編】まずは実際に「Clipchamp」で動画を編集してみよう!

実際に「Clipchamp」で動画を編集する方法についてご紹介します。

■動画素材を画面に登録して編集する方法

「Clipchamp」を起動したら、「新しいビデオを作成」をクリックして編集画面を開きましょう。

動画や写真、音楽素材は、左側のツールバーの①「メディア」をクリックしてウィンドウを開き、②「メディアのインポート」よりフォルダから選択するか、③直接ウインドウにドラッグ&ドロップして取り込みます

取り込まれた動画素材は画面左上にサムネイルが表示されるので、これをドラッグ&ドロップしてタイムラインに置きます(複数の動画も可)。次に、タイムラインに置いた動画の端をつまんで左右に動かし、長さを調整します

動画を分割するには、白いバーを分割したい場所にスライドさせ「はさみアイコン(スプリット)」を押します

分割後に不要な部分を選択し、「削除」を押すと削除できます

 ■タイトルを作成したり画面にテロップを入れる方法

画面左のツールバーから①「ストック動画」を選択し、②好みの素材を選択します

③「タイムラインに追加+」を選択します

追加したストック動画を移動させます。今回はタイトル動画として使用するので先頭に移動させました。また、左側のツールバーより「テキスト」をクリック、好みの素材を選んで、「テキストを追加」部分にドラッグ&ドロップ。タイトル動画と長さを合わせておきましょう

「テキスト」を選択した状態で右側のツールバーより①「テキスト」をクリックし、②表示されたウィンドウの中で、文字、フォント、サイズ、色の変更などを行いましょう

動画の中にテロップを入れる手順も同様。好きなテンプレートを選んでドラッグ&ドロップしたら、長さを調整。そして色やフォントを選びましょう。さらに右側のツールバーより「フェード」を選び、「イン」と「アウト」の時間を指定すれば、ゆっくり表示することも可能です

■トランジションを追加したり黒画面を入れて仕上げる方法

まず、動画の最後に黒い画面入れておきます。左のメニューから「ストック画像」を選び、黒い静止画をタイムラインの最後にドラッグ&ドロップ。時間は好みで指定しましょう

次に「切り替え」を開き、画面と画面の切り替えをスムーズに見せる「トランジション」を選択し、タイムラインの動画と動画の間にドラッグ&ドロップします

■音楽を入れる方法

音楽もテンプレートのものを無料で利用可能。左のメニューで「音楽とサウンドエフェクト」を選択したら、好みの音楽を選択し「タイムラインに追加」をクリック

タイムライン上の音楽の最後をつまみ、長さを調整。さらに右側のツールより「フェード」を選択し「フェードアウト」を2秒程度に設定。こうすることで自然に音が消えていきます

ここまでの手順で簡単な動画は制作可能ですが、より細かくカットをしたりアスペクト比を変えるなどしたい方もいるでしょう。

もう少し細かく、やりたいこと別に使い方を解説します。

【詳細】メディアをタイムラインに追加するには?

例としてファイルを参照してタイムラインに追加する方法を紹介します。

①左側のツールバーに表示される、「メディア」をクリックします。②メディアのインポートの右にあるプルダウンをクリック。③「ファイルの参照」をクリックします

④追加したい動画や画像、音楽のファイルを選択し、⑤「開く」をクリックします

メディア欄に取り込まれた動画素材をドラッグ&ドロップでタイムラインに配置します

【詳細】動画の不要な部分をカット(削除)するには?

スライダーをカットしたいシーンまでスライドさせます。スライダーはプレビュー画面の下にある「再生ボタン」「5秒戻る」「5秒進む」ボタンでも動かせます

削除する冒頭シーンにスライダーを合わせたら「はさみマーク(スクリット)」をクリックして動画を分割します。同じように削除するシーンの終わりにスライダーを合わせ分割します

分割された削除したいシーンを選択し、「削除ボタン」をクリックします

該当のシーンが削除されました

削除した次のシーンをドラッグし、空いてしまった間隔を埋めます

【詳細】動画のアスペクト比を変更するには?

プレビュー画面右上「16:9」のようにアスペクト比が表示されている部分をクリックすると、アスペクト比の選択肢が表示されます。お好みのアスペクト比をクリックして選択します

①プレビュー画面そのものをドラッグすると画面上の表示位置を変更できます。②画面の角をドラッグすると表示サイズを変更可能

動画が完成したら「エクスポート」しよう

動画の編集が完了したら、画面右上の「エクスポート」を押して動画を保存しましょう。480p(SD画質)、720p(HD画質)、1080p(フルHD画質)の3つが選択できます。

画面左上の「エクスポート」をクリックすると、動画の画質を選択できるので480p、720p、1080pのいずれかを選択します

動画の長さやエフェクトの度合いによってレンダリング時間は異なりますが、100%になるまでしばらく待ちます。この画面でクラウドや動画共有サービスを利用することも可能

Clipchampの無料版とEssentials版のプラン料金と機能比較

無料版 Essentials版
・無制限の透かしなしのエクスポート ・無制限の透かしなしのエクスポート
・最大1,080p(HD)のエクスポート解像度 ・最大1,080p(HD)のエクスポート解像度
・無料のオーディオ、画像、動画ストック ・プレミアムオーディオ、画像、動画ストック
・無料フィルターとエフェクト ・プレミアムフィルターとエフェクト
  ・ロゴとカラーの管理に使えるブランドキット
  ・コンテンツのバックアップ

無料版とEssentials版の違いについては、上記の表の通り。Essentials版は1カ月1,374円(2023年10月末現在)で利用でき、画像、動画、音楽、フィルターやエフェクトなどの素材のバリエーションが充実する他、ブランドキットなどの機能も使用することが可能です。

まとめ

Clipchampはシンプルなインターフェースで直感的に操作することができ、さらに豊富なバリエーションの素材やテンプレートが用意されていますので、初心者でも簡単に本格的な動画を作成できます。無料版でも動画編集に必要な基本的な機能は使用できますので、まずは無料版からスタートし、慣れてきたり物足りなく感じたところで有料版を試してみるのも良いでしょう。

※サムネイル画像(Image:Tada Images / Shutterstock.com

いしばしいちろう
編集・ライター。20年以上、某ゲーム雑誌の編集部に所属。ゲームやパソコン、カメラ、鉄道などが得意分野だが、フリーになってからはコスプレイヤーの撮影にハマったあげく、最近はVTuberにどっぷり浸かっている。

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