マイナンバーカード取得者がキャッシュレス決済を利用することで、最大5,000pt(利用額の25%)もらえる「マイナポイント」事業は、2021年12月末で一旦終了する。しかし、これからマイナンバーカードを作る人は、新たな「マイナポイント」事業によって最大2万円ももらえるチャンスがあるのをご存じだろうか? そこで今回は、新マイナポイント事業について詳しく解説するが、実はこれがかなり面倒くさいのだ……。
そもそも「マイナポイント」事業って何なの?
「マイナポイント」事業とは、2020年9月からスタートした制度で、何度か延長されて2021年4月末までにマイナンバーカードを申し込んだ人が、2021年12月末までにキャッシュレスサービスを利用することで、利用額の25%(最大5,000円)を受け取れる制度。
だが、2021年11月1日現在、マイナンバーカードの交付枚数は約4,955万枚で普及率は39.1%しかない。そこで政府はさらなる普及を目指し、「新マイナポイント」事業を予定しているというわけだ。
当初、政府は「新マイナポイント」事業では1人最大3万円給付としていたが、2万円に目減りした。それでも、マイナンバーカード新規取得&キャッシュレス決済で最大5,000円、健康保険証の利用登録と預金口座の紐づけで各7,500円(合計2万円)ももらえるのだから、お得なのは間違いない。
だが、マイナポイントを取得するための手続きは非常に煩雑で面倒くさいのだ。そこで今回は、マイナポイントを取得するとき、いったいどのような点が面倒くさいのか、6つのポイントを解説しよう。
【1】まずマイナンバーカードを取得するのが面倒くさい
「マイナンバー」は、日本に住民票を持つ人全員に割り当てられている12桁の個人番号のこと。それを証明するICチップ付きカードが「マイナンバーカード」だ。
マイナンバーカードがあれば、さまざまな行政手続きが簡略化されるが、もっとも身近なことで言えば、コンビニのマルコチコピー機で住民票や印鑑証明を簡単に取得できるほか、顔写真入りなので運転免許証のように本人確認書類として利用できる。
とはいえ、運転免許証を持っている人にとっては身分証明書としての必要性は低く、後付けの健康保険証機能もさほど魅力的ではない。つまり、マイナンバーカードには“わざわざ手間をかけて取得”するメリットが感じられないのだ。
しかも、マイナポイントがスタートした直後には役所に人が押しかけて、マイナンバーカードの取得には2カ月ほどかかってしまう状況もあり、「マイナンバーカード=面倒くさい」というイメージが定着してしまった。
だが、その後未取得者のところに、QRコード付きの「マイナンバーカード交付申請書」が郵送されてからは、スマホから簡単に申し込めるようになって多少状況は良くなったが、それでも、手元にマイナンバーカードが届くまでは約1カ月かかる。
なお、マイナンバーカードの申し込み方法については→こちらで解説しているので参考にしてほしい。
【2】申し込んだだけでは2万円はもらえない!
そもそも、“マイナポイント”というポイントは存在しない。あくまでも、利用したいキャッシュレス決済サービスが行っているポイントシステムで、ポイントが還元されることになっている。
たとえば、楽天ペイなら楽天ポイント。PayPayならPayPayボーナスが付与されるため、マイナポイントを申し込んだだけでは何ももらえないのである。
しかも、決済金額の25%がポイント還元されるシステムなので、2万円をチャージするか、2万円分の決済しないと最大5,000ptはもらえない。
クレジットカードの場合は、買い物の支払いをするたびに25%ずつポイント還元されるので、満額の5,000ptをもらうには期間内に必ず2万円以上使わないといけないのが面倒くさい。
これに対し、スマホ決済サービスの「au PAY」などでは一気に2万円チャージすると、その場ですぐに満額の5,000pt(25%)がもらえるようになっている。具体的な手順は→こちらで確認してほしい。
なお、マイナポイントの申し込みはスマホやパソコンでできるほか、役所の窓口はもちろん、郵便局、コンビニのATMやマルチコピー機、携帯ショップ、家電量販店、スーパーなどに専用端末が設置されている。
ローソンのマルチコピー機でのマイナポイントの登録方法については→こちらで。セブン銀行ATMでの申込方法は→こちらで解説している。
【3】NFC対応スマホでないと申し込めない場合もある!
マイナポイントの申し込みは、パソコンやNFC(おサイフケータイ)対応スマホ、セブン銀行ATM、ローソンのマルチコピー機など、複数の手段で簡単に申し込めるようになっている。
しかし、なかにはセブン銀行ATM、ローソンのマルチコピー機に非対応だったりする場合もあるので、事前に「マイナポイント事業」の公式サイトで確認しておこう。
なかには、楽天ペイのように、NFC(おサイフケータイ)対応のスマホ以外では、申し込みができない場合もあるので注意したい。
このように、マイナポイントの申込方法によっては、普段使っているキャッシュレス決済サービスの申し込み手続きができない場合もあるのがややこしい。詳しくは→こちらで解説している。
なお、同じ楽天でも、楽天カードや楽天Edyに関しては、そのような縛りはないので、セブン銀行ATMやローソンのマルチコピー機などから申し込むことが可能となっている。
【4】2万円使ってもポイントを受け取らないと無効になる場合も!
マイナポイントで利用するキャッシュレス決済サービスに申し込んで、2万円以上利用してもまだ安心はできない。
多くのキャッシュレスサービスでは、決済するたびに自動的に25%のポイント還元が受けられるが、なかには自分でマイナポイントの受け取り作業をしないとダメな場合もある。
とくに「楽天Edy」「WAON」「Suica」といった電子マネー系は要注意! 付与されたポイントを自分で取得してチャージしないとポイントが無効になってしまうのだ。
楽天Edyの受け取り方法は→こちらで、Suicaの受け取り方法は→こちらで詳しく解説しているので、くれぐれもマイナポイントをもらい忘れないように気を付けてほしい。
【5】すでにマイナポイント申込が終わったサービスもある
マイナポイントの対象となるキャッシュレス決済サービスは、電子マネー、プリペイドカード、QRコード決済サービス、クレカ、デビットカードなど100社以上が対応している。
基本的には、マイナポイントの公式サイトでどんなサービスがあるか確認して、自分が普段からよく使っているキャッシュレス決済サービスを申し込めばいい。
しかし、「PASMO」「メルペイ」「オレボポイント」「Bibica」など、すでに申込み受付が終了しているサービスもある。
もちろん、新マイナポイント事業が始まるときに再開する場合もあるし、新規で参加するサービスもあるかもしれないが……。
【6】未成年の子どもの分を登録して2万円以上使うのが大変!
マイナポイントは未成年の子ども名義でも申し込むことができる。しかし、未成年の場合はクレカやスマホ決済サービスを持っていない場合も多い。
そんなときは、保護者名義のキャッシュレス決済を使うことができるようになっているが、保護者が使うものに合算することはできない。そのため、自分の分とは別に子ども用の決済サービスをわざわざ用意する必要があるのだ。
しかも、期限までに2万円以上決済しないと満額の5,000ptをもらえない恐れがある。とくに、決済するたびに少しずつポイントがつくクレカなどは管理が面倒なので、確実に5,000ptをゲットするには、やはり残高チャージでポイントが満額付与される決済サービスがおすすめとなる。
とはいえ、いきなり家族4人分=8万円を一気にチャージするのは金銭的に厳しいので、懐具合と相談しながら少しずつチャージするしかない。これはこれでかなり面倒くさいことになるだろう。
マイナンバーカードで健康保険証を登録する方法は?
いかがだろうか? ここまではキャッシュレス決済で2万円利用して5,000ptをもらう話だったが、新マイナポイントでは、さらに健康保険証と預金口座の紐づけをしないと、あと1万5,000ptをもらえない。
実は、健康保険証の紐づけはスマホから簡単にできるが、ここでもNFC対応でないと登録できないのが面倒くさい。
実際にマイナンバーカードに保険証を登録する方法は→こちらで解説しているので確認してほしい。なお、NFC対応スマホがない場合は、セブン銀行ATMで登録することができる。
銀行口座の紐付けについては、そもそも政府に個人の銀行口座まで握られてしまうことに抵抗がある人も多いだろう。現状ではまだ何も情報がないので、実際に「新マイナポイント」事業がスタートしたらチェックするようにしたい。
●総務省「マイナポイント事業」(公式)は→こちら