NHK受信料23年10月より値下げ – 覚えておきたいさらにお得な割引制度とは?

2023年10月1日より、NHKの受信料が1割ほど値下げされます。決して安くない受信料が1割も安くなるのはありがたいことですが、さらに受信料が安くなる割引制度があるのはご存じでしょうか? ただし、この割引制度は自分で申請しないと適用されません。そこで今回は、10月からのNHK受信料値下げがどうなるのか? お得な割引制度とはどのようなものなのかを解説します。

NHKの受信料はどのような仕組みになっている?

NHK受信料が23年10月より値下げ(Image:beeboys / Shutterstock.com)

そもそもNHKの受信料は、テレビチューナーを内蔵する機器を設置した時点で支払う義務があります。

受信料は「地上契約」と「衛星契約」の2つに分かれており、衛星放送を受信できる場合は、地上契約ではなく衛星契約が適用されます。

また、契約は1世帯ごとの契約となっており、自宅にテレビが複数台あっても受信料は同じです。

23年9月までの受信料は地上契約の「2カ月払」が2,450円、衛星契約の「2カ月払」は4,340円。「6カ月前払」の場合は約5%、「12カ月前払」は7.61%の割引きになります(いずれも口座振替・クレジットカード払・沖縄県以外の場合)。

また、払込方法でも料金は異なり、「口座振替・クレジットカード払」の方が継続振込(払込用紙での支払い)より安く設定されています。

つまり、NHKの受信料は「12カ月前払」で「口座振替・クレジットカード払」にするのがもっとも安くなるのです(23年9月末まで)。

もちろん、「クレジットカード払」の場合は、クレカによってポイント還元もありますので、さらにお得になるでしょう。

●NHK「放送受信料のご案内」は→こちら

■NHKの地上契約受信料(23年9月まで)

  口座振替
クレカ等継続払
継続振込等
払込用紙での支払い
2カ月払額 2,450円
(月1,225円)
2,550円
(月1,275円)
6カ月前払額 7,015円
(月1,169円)
7,300円
(月1,217円)
12カ月前払額 1万3,650円
(月1,138円)
1万4,205円
(月1,184円)

※沖縄県以外
NHKの受信料は2カ月が基本単位。6カ月か12カ月の前払いで割引きされますが、口座振替・クレカ払いなら払込用紙での支払いより安くなります(表はNHKの公式サイトを基に筆者が作成)

■NHKの衛星契約受信料(23年9月まで)

  口座振替
クレカ等継続払
継続振込等
払込用紙での支払い
2カ月払額 4,340円
(月2,170円)
4,440円
(月2,220円)
6カ月前払額 1万2,430円
(月2,072円)
1万2,715円
(月2,119円)
12カ月前払額 2万4,185円
(月2,015円)
2万4,740円
(月2,062円)

※沖縄県以外
こちらは衛星契約の料金です。地上契約より高くなりますが基本的な料金システムは同じです(表はNHKの公式サイトを基に筆者が作成)

23年10月からNHKの受信料はどう変わるのか?

2023年10月1日以降、NHKの受信料は1割値下げされることになりした。と同時に、払込方法による金額の差がなくなります。

23年9月までは払込方法に「振込」を選択した場合、受信料が口座振替やクレカよりも高く設定されていましたが、23年10月からはこれが廃止となり料金が一本化されました。

●NHK「受信料の1割値下げ」は→こちら

■NHKの新受信料(23年10月以降)

  地上契約 衛星契約
月額 1,100円 1,950円
2カ月払額 2,200円
(月1,100円)
3,900円
(月1,950円)
6カ月前払額 6,309円
(月1,051.5円)
1万1,186円
(月約1,864.3円)
12カ月前払額 1万2,276円
(月1,023円)
2万1,765円
(月約1,813.7円)

※支払い方法により異なる受信料を一本化
※沖縄県以外
こちらが23年10月からの新受信料。地上契約の2カ月払額は2,450円→2,200円、衛星契約は4,340円→3,900円と、1割ほど値下げされました(表はNHKの公式サイトを基に筆者が作成)

■NHKの新受信料(沖縄県・23年10月以降)

  地上契約 衛星契約
月額 965円 1,815円
2カ月払額 1,930円
(月965円)
3,630円
(月1,815円)
6カ月前払額 5,539円
(月約923.1円)
1万416円
(月1,736円)
12カ月前払額 1万778円
(月約898.1円)
2万267円
(月約1,688.9円)

※支払い方法により異なる受信料を一本化
こちらは沖縄県の新料金です。もともとほかの都道府県より安かった受信料がさらに安くなっています(表はNHKの公式サイトを基に筆者が作成)

というわけで、23年10月からの新受信料でも、やはり「12カ月前払」がさらに安くなります。

また、払込方法による料金格差はなくなりましたが、「クレジットカード払」を選べばクレカのポイント還元が0.5〜1.5%程度はありますので、さらにお得になります。

NHKの受信料をさらに安くする4つの制度とは?

23年10月以降のNHKの新受信料では、「12カ月前払」+「クレジットカード払」が、もっともお得になることがお分かりいただけたと思います。

しかし、NHKには受信料が安くなるお得な割引制度も用意されています。これらを適用させることで、さらに受信料を安くすることができるのをご存じでしょうか?

NHKの割引制度には「家族割引」「団体一括支払」「事業所割引」「多数一括割引」の4つがありますが、いずれも自分で申請しないと適用されませんので、ご注意ください。

家族割引

子どもが大学に進学したりお父さんが単身赴任になって、家族が離れて暮らす場合。あるいは別荘にテレビを設置した場合は、同じ世帯であるとみなされて、「家族割引」が適用できます。

家族割引は、同一生計で離れて暮らす家族や別荘などを対象にしており、適用されれば受信料の半額を割引くお得な制度です。

条件は以下のようになっていますので、もし、該当する場合はすぐに申請したほうがいいでしょう。

【家族割引適用条件】
・同一生計で親元から離れて暮らす学生の方
※学生を対象とした免除制度もあります
・同一生計で自宅から離れて暮らす単身赴任等の方
・別荘・別宅等で自宅と別に受信契約を締結している方

●NHK「家族割引のお手続き」は→こちら

NHKの受信料をさらに安くする4つの制度1

家族割引は、同一生計で離れて暮らす家族(大学生や単身赴任)や、別荘などの料金が半額になる制度です(画像はNHK公式サイトより引用)

団体一括支払

最近、マンションではケーブルテレビ(CATV)が導入されているケースが多いと思いますが、そのような場合は「団体一括支払」が適用できます。

団体一括支払はマンション管理組合や町内会などの団体が、15人以上で衛星契約を結ぶと適用され、1件あたり月額200円の割引を受けることができます。

ケーブルテレビの場合はケーブルテレビ利用料とNHKの受信料をまとめて支払うことになります。

【団体一括支払適用条件】
・15人以上の団体で衛星契約を結ぶこと

●NHK「ケーブルテレビ加入者への受信料の割引について知りたい」は→こちら

NHKの受信料をさらに安くする4つの制度2

団体一括支払は15人以上の契約で適用されます。詳しく知りたい人は、契約しているケーブルテレビの公式サイトで調べてみましょう(画像はNHK公式サイトより引用)

事業所割引

「事業所割引」は一般家庭ではなく住居以外の事業用ビルなどに複数のテレビを設置している場合に適用されるものです。

もっとも分かりやすい例はホテルで、本来は客室ごとのテレビそれぞれに受信料を支払う必要がありますが、それでは高額になってしまうので、事業所割引を受けることが可能となっています。

事業所割引が適用されると、ひとつ目のテレビは受信料を通常どおり支払いますが、それ以外のテレビは受信料が半額になります。

【事業所割引適用条件】
・住居以外の場所に設置しているテレビについて2件以上の契約をしていること
・同一敷地内に設置したテレビすべてについて、受信契約を締結していること
・受信料の支払期間がすべて同じで、一括して支払われること

●NHK「事業所割引」について」は→こちら

NHKの受信料をさらに安くする4つの制度3

一般家庭にはあまり縁のない制度ですが、事業所で複数のテレビを設置している場合、条件を満たせば適用可能です(画像はNHK公式サイトより引用)

多数一括割引

「多数一括割引」も、一般家庭ではなく事業者向けの割引制度になります。

衛星契約または特別契約の契約件数の合計が10件以上で、ひとつの契約者でとりまとめて支払う場合は、1件あたり月額300円(特別契約は90円)が割引されます。

同一敷地内で10件以上の衛星契約等をしていると自動的に適用されますが、敷地が離れている場合は、申請しないと適用されません。

事業者割引は同一敷地内が対象になりますが、こちらは事業所が別の場所にあっても適用されます。たとえば、全国展開するホテルチェーンなどが対象になるでしょう。

【多数一括割引適用条件】
・衛星契約または特別契約を10件以上締結していること
・受信料の支払期間が同じで一括して支払いが行われること
・「団体一括支払」が適用されていないこと

●NHK「多数一括割引」は→こちら

NHKの受信料をさらに安くする4つの制度4

こちらは同一敷地内でなくても適用できる、事業者向けの割引制度になります。また、同一敷地内の事業者内では事業者割引も併用可能です(画像はNHK公式サイトより引用)

まとめ

いかがでしょうか? 23年10月よりNHKの受信料は1割ほど安くなったうえに、割引制度を申請することで、さらに受信料を安くすることが可能です。

今回紹介した割引制度のなかでは、とくに「家族割引」がお得です。もし、この制度を知らずに個別に受信料を満額支払っている場合は、今すぐ申請したほうがいいでしょう。

また、23年10月からは受信料免除基準が一部変更され、学生への免除が拡大されていますので、こちらも確認しておくことをオススメします。

●NHK「学生の免除を拡大」は→こちら

NHKの受信料をさらに安くする4つの制度5

23年10月より、学生の全額免除対象が拡大されます。該当する学生のいる家庭は免除申請をしておきましょう(画像はNHK公式サイトより引用)

23年10月からの新受信料の内容や免除制度については、こちらの記事でも詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。

監修日:2023年10月20日

宮下陽一/クリコ行政書士事務所
行政書士事務所と共に、Web制作会社を経営。
農地転用や農振除外、墓地経営等などオーソドックスな許可申請から、出入国の申請取次やコロナ関連の支援金申請など時の需要に応じた対応もしている。著書にアプリケーション解説書籍等。

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