下がる住宅ローン金利 安い金利のローンに乗り換えで本当に得する?

年々下がる住宅ローンの金利。今借りている住宅ローンよりもずっと安い金利の住宅ローンに借り換えた方がいいの? 何か損する可能性はないの? ここでは、そんな住宅ローン借り換えのポイントを解説しよう。

借り換えのメリットを確認しよう!

(Image:Shutterstock.com)

 数年前に、今の金利は底だと言われて借りた住宅ローン。気がつけば今や変動金利なら0.46%なんていう信じられない金利の住宅ローンもあるではないか! だがちょっと待て、本当に今借り換えしていいの?
 そんなアナタのために、まず、住宅ローンの借り換えのメリットを整理してみよう。まず、金利が安くなれば返済総額は少なくなる。次に月々の支払い額を下げることができる。そして、金利の安い今だからこそ変動から固定金利に切り替えて金利上昇のリスクを減らす、といったメリットがある。
 しかし、どんな状態でも借り換えさえすれば得するとは限らない。ポイントになるのは、「借り換え手数料」「ローン残存期間」「ローン残高」の3つである。わかりやす言うと借り換え手数料が仮に60万円かかる場合は、借り換えによる利息の減少がそれ以上ないと損することになるのだ。

 

【住宅ローン借り換えのメリット】
①金利が安くなれば返済総額は少なくなる
②月々の支払い額を下げることができる
③変動から固定金利に切り替えて金利上昇のリスクを減らせる

条件しだいでは大損することもある!

(Image:Shutterstock.com)

 一般的に、借り換えして得する目安は「金利差1%以上」「ローン残存期間10年以上」「ローン残高1,000万円以上」であると言われている。
 たとえば、金利差が0.5%程度では金利による差額があまり出ないので、借り換え手数料をカバーできない。同様にローン残存期間が10年以下と短い場合やローン残高が1,000円以下と少ない場合も金利の差額が出にくいのだ。
 それでは、具体的に比較してみよう。まず、ローン残高2,000万円でローン残存期間20年、金利1.5%の住宅ローンを、金利0.6%に借り換える。その際の手数料を60万円とすると、差額は133万3,195円となり得をする。しかし、ローン残高1,200万円、ローン残存期間9年、金利1.2%の住宅ローンを、金利0.6%で借り換え手数料45万円に乗り換えると、逆に11万4,265円の損となった。このように、借り換えによって必ずしも得するわけではないので、しっかりとシミュレーションしてから借り換えるようにしよう。

 

【借り換えシミュレーションA】
・ローン残高2,000万円
・ローン残存期間20年
・金利1.5%
・月返済額:9万6,509円
・返済総額:2,316万2,045円

 

→金利0.6%に借り換えると
・月返済額:8万8,454円
・返済総額:2,122万8,850円
・借り換え手数料60万円

 

→差額:133万3,195円のお得!

 

 

【借り換えシミュレーションB】
・ローン残高1,200万円
・ローン残存期間9年
・金利1.2%
・月返済額:11万7,274円
・返済総額:1,266万5,597円

 

→金利0.6%に借り換えると
・月返済額:11万4,165円
・返済総額:1,232万9,862円
・借り換え手数料45万円

 

→差額:11万4,265円の損!

●一般社団法人 全国銀行協会「ローン借り換えシミュレーション」は→こちら

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