寝台特急「サンライズ出雲」に実際乗ってみてわかったこと!

現在、唯一の定期運行寝台特急の「サンライズ出雲」。オトナライフではすでに繁忙期のチケットの取り方を紹介したので、今回は実際に乗ってみて初めてわかったことをレポートしたいと思う。

B寝台の「シングル」と「ソロ」はどっちがいい?

今回、サンライズ出雲のチケットを取るとき、筆者が最初に悩んだのがB寝台の「シングル」と「ソロ」の違いである。両方ともシングルの個室で価格差は1,080円しかない。シングルのほうが席数が多いので取りやすいのだが、果たして実際はどうなのか?

結論から言えば1,080円の価格差なら、絶対に「シングル」がおすすめ。そもそも170cmの筆者でも「シングル」は多少窮屈に感じられたが、「ソロ」は室内に出っ張りがあってさらに余裕がない。室内にスーツケースを置くスペースすらないのである。さらに、ソロにはミニテーブルがなく、駅弁などを置けないので室内で食事することも困難なのだ。

サンライズ出雲は東京駅の在来線「東海道線・9番線ホーム」から発車する。(一部臨時列車は8番の場合もあるそう)

写真右がソロ下段。価格はやや安いが室内に出っ張りがありシングルより狭い。写真左は上下にベッドのあるシングルツイン

写真上が特急指定席券で乗れる格安のノビノビ座席。一部仕切りはあるがプライベート感はゼロ。写真下は6室しかないA寝台のシングルデラックス。室内に洗面所やデスクまであり、広さはB寝台シングルの約2倍

今回利用したのは一般的なB寝台のシングル下段(上写真)。シングルの室内にソロのような出っ張りはなくミニテーブルもある。なお、個室には毛布、枕、浴衣、スリッパ、ビニール袋が装備されている(下写真)

入口は幅が狭くスーツケースを置けなかったので、ベッド上に置くことに(ソロにはこのスペースがない)。また、壁にはハンガーがあり上着をかけることができた

壁には目覚まし時計、室内ライト、ヒーターのスイッチがあるほか、NHK-FMのみ聞ける(上写真)。また入口付近にAC100V(2A)コンセントがあるのでスマホの充電は可能(下写真)

シングルにはソロにないミニテーブルがあり、東京駅で購入した弁当やドリンク類を置けるのがありがたい(上写真)。入口ドアは4桁の暗証番号で鍵をかけることができる。車内散策時には必ずロックしておこう(下写真)

上段と下段はどっちを選ぶべき?

実は「ソロ」は電動車に「シングル」は付随車に設置されているため、どうしてもソロのほうがモーター音がうるさくなる。しかも、天井高がシングルよりも低いのである。このような点からも、やはりソロよりシングルのほうがおすすめだ。

また、サンライズ出雲は基本的に全車両2階建てなので、上段にするか下段するかも気になるところ。もちろん、上段のほうが音が静かで景色もいいが天井は低い。また、車体の揺れを感じやすいため、乗り物酔いしやすい人は下段のほうがおすすめ。ただし、下段は音がややうるさく窓が非常に低くいため、駅のホームで上から丸見えになるというデメリットがある。

なお、シングルには車両の端に「平屋」という部屋もあるが、こちらは車輪の上にあるため音がうるさく乗り心地もよくないので、できれば避けたいところ。

3号車と10号車にあるシャワー。利用には1枚320円のカード(1回6分間)が必要だが、販売枚数は限られているので注意しよう。また、シャンプーやボディソープ、ドライヤーは備え付けられているが、タオルは自前になる

サンライズ出雲にレストランや弁当、アルコールの車内販売はない。あるのは飲み物の自動販売機だけだ(上写真)。下写真は3号車と10号車にあるミニラウンジ。友だちと夜におしゃべりしたり弁当を食べるときに便利

朝6時27分に岡山駅に到着すると「サンライズ瀬戸」と切り離し作業が行われる。「サンライズ瀬戸」は6時31分には出発。残された「サンライズ出雲」も6時34分には出発する(上写真)。ちなみに、岡山駅のホームには喫煙ルームやソフトドリンクの自動販売機もあるので、禁煙ルームを取った人は、ここで一服できる(下写真)

岡山から伯備線に入ると、進行方向右側の部屋からは米子の手前で大山が、松江から出雲の間で宍道湖(写真)などの絶景も堪能できる

約12時間かけて翌日の朝9時58分に終点の出雲市駅に到着する。駅舎は出雲大社のような造りになっていてなかなかカッコいいぞ!

文=植村照明

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