Amazon偽レビュー1件1,900円? イギリスで起きた告発に揺らぐネット通販の信頼

ここ十数年で世界中に浸透したネット通販の文化。読者の方々もAmazonや楽天市場といったネット通販のサービスを「一度は使ったことがある」という人が多いのではないだろうか。日本国内でも、2020年のコロナ禍でも外出を控えるために利用が推奨されたことも記憶に新しい。しかしそんなネット通販の信頼を揺るがすような動きがイギリス国内で起きているという。
今回は、ネット通販で簡単に信用してはいけないあれこれについてご紹介していきたい。

レビュー偽造はネット通販の前提を覆す

(Image:BigTunaOnline / Shutterstock.com)

もはや現代ではネット通販無しの生活は考えられない

 商品を直接手に取って見ることができない通販では、その商品が満足できるものかどうかは半分賭けのような側面がある。そのため通販で失敗したくない私たちユーザーは、その商品が信頼できるかどうかを“点数”や“口コミ”等、他のユーザーの意見に委ねることが多いのが実情だ。

 今回、そんなユーザー心理を逆手に取るような事例のニュースとして報じられたのは、「イギリス国内の消費者団体が『Amazonの虚偽のカスタマーレビューが有料で販売されている』と告発した」ことだった。イギリスの消費者権利団体・Whichの調査によれば、世界中に複数の“偽レビュー販売業者・サイト”があるといい、今回調査の対象となったドイツのサイトでは1件15ユーロ(約1,900円)で優良な有料レビューが販売されており、1,000件まとめ買いだと9,000ユーロ(約115万円)とお得に(?)購入できるようだ。
 こうした偽の高評価レビューが多数つくことで、Amazonではその商品に「Amazon’s Choice」と呼ばれるマークが与えられることにもつながるという。Amazon’s ChoiceはAmazonおすすめの商品につくマークで、言ってみれば“Amazonのお墨付き”だ。ユーザーとしてもAmazon’s Choiceのマークを見て「世界的企業が勧めるなら大丈夫だろう」と安心してしまう人も少なくないだろう。

(Image:Koshiro K / Shutterstock.com)

レビューを全て信頼して気兼ねなく利用できるようになる日は近い

 しかし注意したいのは、偽レビューのせいもあってAmazon’s Choiceも無条件で信頼できるとは限らない点だ。Amazonの商品ページでは「Amazon’s Choice は、評価が高く、お求めやすい価格の商品をおすすめします」と説明している。しかし多くのネットユーザーの考察によれば、Amazon’s Choiceのマークの付与はAIが独自のアルゴリズムで選定している可能性が高いという。そのため他社の同商品と比べてリーズナブルな価格設定にして偽レビューで多数の高評価を購入した商品にも付与されるという弊害がある。
 このシステムにはネット上でも多くのユーザーが警鐘を鳴らしている状況だ。偽レビューの対策としては「低評価のレビューに目を通す」ことで、高評価のレビューがどれだけ信用できるかを判断したい。

 Amazon自身もそうした虚偽のレビューに対して、これまでも多くの対策を取ってきた過去もある。人気の商品になるとかつては発売前に「期待を込めて星5!」と、未購入にも関わらず高評価をつける熱狂的なファンも多く存在していたが、現在はある程度の制限がかけられているという。加えて現在もヘルプページで、不適切なレビューを見つけたら「このレビューは参考になりましたか?」で違反報告ができることを伝えている。
 違反レビューの対策に余念のないAmazonであれば、今後Amazon’s Choiceの選定AIもさらに進化し偽レビューを見抜く機能を持つようになってもおかしくない。しかし現在はまだその機能が未完成なだけに、私たちユーザー側がしっかりと見抜いていくしかないようだ。

参照元:アマゾンのレビュー1000件を約115万円で…偽レビュー販売サイトをイギリスの消費者団体が告発【BUSINESS INSIDER】

オトナライフ編集部
iPhone・Android・SNS・パソコン関連・キャッシュレス、QRコード決済など、さまざまな情報を独自の視点や切り口で発信するニュースサイト
X/Twitter:@otonalife
YouTube:OTONALIFE Ch

iPhone/Androidスマホやキャッシュレス決済、SNS、アプリに関する情報サイト[オトナライフ]

関連記事

TOPICS
ヘルス・ライフ最新記事

RANKINGランキング

6:00更新