電気料金と一緒にしれっと徴収されている「再エネ賦課金」ってなに?

みなさんは、「再エネ賦課金」という言葉をご存じだろうか。電気料金の明細表に毎月記載されている再エネ発電促進賦課金、通称・再エネ賦課金。“隠れ税金”ともいわれており、一家計あたりの平均再エネ賦課金は、月1,300円ほど。省エネを心がけていても、なかなか電気代が減らないという場合は、再エネ賦課金の存在が大きいのかもしれない。

今回は、あまり耳なじみのない再エネ賦課金について詳しく伝える。

必ず払わないといけない再エネ賦課金って?

導入に莫大な費用がかかる再エネ発電

 再エネ賦課金とは、2012年にスタートした「再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT法)」に従い、太陽光や風力といった再生可能なエネルギー(以下再エネ)で発電した電気を買い取るために必要な料金のこと。脱炭素社会実現に向け、導入コストがかかる太陽光や風力発電の普及を目的に、再エネで発電した電気を電気会社が一定額で買い取ることを国が保障する制度を導入。そして、その買い取り費用の一部を、電気利用者である国民に負担させるという仕組みだ。

 2021年8月現在、再エネ賦課金の単価は1kWhあたり3.36円。東京電力の従量電灯Bプラン(120kWh~300kWh)では、1kWhあたり26円台なのに対し、追加で再エネ賦課金3.36円が上乗せされるため、全体料金のうち10%以上も再エネ賦課金が圧迫していることになる。また、月に約400kWhを利用するとされる一般家庭では、400×3.36円=1,300円程度、年間約1万5,000円も負担していることに。再エネ賦課金はどの電力会社と契約していても電気を使用する人であれば必ず支払わないといけないため、事実上の“隠れ税金”ともいわれている。

すでに太陽光の発電コストは劇的な低下し、安価な電力源へと成長した

 再エネ固定価格買取制度が定められたきっかけは、再エネの安定供給を促進するため。二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスの少ない低炭素社会の実現を目指す日本において、太陽光や風力発電設備の増加は必須といえる。また、2011年3月に起こった東日本大震災の福島第一原子力発電所事故が莫大な被害を被ったことから、原子力発電に依存しない再エネの重要性が見直されたことも影響した。

 発電コストだけを見ると、すでに劇的に低下している再エネ。しかし、私たちが負担する再エネ賦課金は2030年まで上がり続けることが分かっている。なぜならば、当初の計画から、導入コストを2030年まで分割して負担することになっているからだ。再エネの割合が増えれば増えるほど、再エネ賦課金も加算されるため、私たちの支払う再エネ賦課金は今後も増え続けることが予想される。

 近年は脱炭素社会や地球環境を守るためのSDGsなどが認知されはじめ、持続可能な世の中をつくろう、という動きが強まっている。しかしこんな部分でイメージを悪化されていたら、そのうち「私たちの負担を増やす再エネなんていらない!」という声があがってきても不思議ではない。しかし世界的な流れとして、再エネ推進は続くことも確実。はたしてそうなった場合、国は誰をどのように納得させるつもりでいるのだろうか…。

 安価な再エネの恩恵を受けられるのはいつになるのだろうか。それが実感できなければ、国民の理解を得ることは難しいだろう。

参照元:「電気代は2030年まで毎年必ず高くなる」毎月こっそり徴収される”隠れ税金”の正体【PRESIDENT Online

※サムネイル画像(Image:umaruchan4678 / Shutterstock.com

オトナライフ編集部
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