「楽天モバイル」から「povo2.0」に乗り換えないほうがいい人の条件とは?

楽天モバイルは月1GBまで0円の現行プランを2022年6月末で廃止する。これにより7月1日からは最低でも月額1,078円の利用料がかかるため、楽天モバイルを0円運用してきたユーザーは、一斉に解約したりpovo2.0に乗り換える騒ぎとなった。だが、場合によっては、慌てて楽天モバイルからpovo2.0に乗り換えないほうがいい人もいる。果たしてその条件とは?

「楽天モバイル0円廃止」でpovo2.0に乗り換える人が続出!

2022年5月13日、楽天モバイルは突然月1GBまで0円のプランを6月末で廃止、2022年7月1日からは新プラン「Rakuten UN-LIMIT VII」を導入すると発表した。

しかも、既存ユーザーは全員強制的に新プランに移行されてしまうため、最低でも月額1,078円を支払う必要が出てきた。これにより、楽天モバイルを0円運用してきたユーザーは、一斉に解約したり他社へ乗り換える騒ぎとなったのである。

とくに、基本料0円で運用可能な「povo2.0」に乗り換え申し込みが殺到し、一時的に本人確認作業やSIMカードの発送が遅れるといった事態に。povo2.0への乗り換えについてはこちらの記事が参考になるだろう。

筆者もさっそくpovo2.0にMNPで乗り換えたばかりだが、乗り換えた後になってひとつだけ気になったことがあった。それは、楽天モバイルの「Rakuten Link」による電話のかけ放題が使えなくなったことである。

●楽天モバイル(公式)→こちら

(Image:network.mobile.rakuten.co.jp)

2022年7月から月3GBまで月額1,078円が最低利用料金となった楽天モバイルだが、月1GBまでなら10月までは実質無料で利用できる(画像は「楽天モバイル」公式サイトより転載)

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●povo2.0(公式)→こちら

(Image:povo.jp)

基本料0円でトッピングを追加する方式のpovo2.0。ただし、180日に1回は何かしらのトッピングを購入するか、660円以上の支払いがないと契約解除される場合がある(画像は「povo」公式サイトより転載)

楽天モバイルで0円運用していたユーザーの多くは、ひとつのスマホで2つのSIMカードを同時使用できる「デュアルSIM運用」し、楽天モバイルをサブ回線として使用していたことだろう。デュアルSIMについてはこちらを参考にしてほしい。

もちろん、筆者もデュアルSIMでドコモの格安SIMと楽天モバイルを併用していたが、楽天モバイルからpovo2.0にMNPで乗り換えてしまったことで、楽天モバイルの「Rakuten Link」アプリによる完全無料でかけ放題電話が利用できなくなってしまった。

当然、povo2.0で普通に電話をかけると22円/30秒の通話料がかかるため、もし、1時間も通話すればそれだけで2,640円もの出費となる。

そこで、電話をよくかける場合は通話定額オプションを契約することになるが、povo2.0では「1回5分かけ放題」が月額550円、「完全かけ放題」は月額1,650円でトッピングを追加できるようになっている。

もし、1回5分かけ放題で十分だということならまったく問題ないが、完全かけ放題を使いたいとなると話は変わってくる。

楽天モバイルは、データ通信を月3GBまでに抑えることで、実質完全かけ放題が月額1,078円で契約できるので、povo2.0との差額は月572円になる。つまり、povo2.0で完全かけ放題をトッピングすると1年間では6,864円もの差がついてしまうのだ。これは困った……。

(Image:network.mobile.rakuten.co.jp)

楽天モバイルでは「Rakuten Link」アプリの利用で電話がかけ放題になる。つまり、データ通信を月3GBに抑えれば、月額1,078円で完全かけ放題が契約できることになる(画像は「楽天モバイル」公式サイトより引用)

(Image:povo.jp)

povo2.0の通話トッピングは「1回5分かけ放題」が月額550円、「完全かけ放題」が月額1,650円で用意されている(画像は「povo」公式サイトより転載)

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ここまでの解説で、楽天モバイルからpovo2.0に乗り換え、povo2.0で完全かけ放題を利用すると、逆に通話料が高くなってしまう場合があることがお分かりいただけたと思う。では、いったいどうすればいいのか? 

まず考えられるのは、楽天モバイルは完全かけ放題のために温存しておき、月3GB以下で運用することだ。

次に、デュアルSIM運用していたもう片方のSIM(筆者の場合はドコモ回線の格安SIM)をpovo2.0に乗り換えるのである。

povo2.0は高速データ通信が可能なデータトッピングを購入しないと低速の128Kbpsとなり、メールや通話は可能だが、Webサイトの閲覧は厳しい状態になる。

もし、月3GB以上データ通信を利用したいなら、その都度、povo2.0のデータトッピングを購入すればいい。

また、あまり知られていないが、povo2.0では買い物や所定の条件をクリアすることでギガ(データ通信量)がもらえる「#ギガ活」も実施されている。

たとえば、ローソン、すき家、ドトール、日高屋、松屋、丸亀製麺といった対象店舗において、「au PAY」で税込500円以上支払うことで300MB(3日間有効)がプレゼントされるのだ(最大20GB/30日間有効)。

毎日ローソンでたばこや弁当を買う人なら、au PAYで500円以上決済するたびに300MBをもらえるので、意外とデータトッピングを買わなくて済むかもしれない。

筆者はすでに楽天モバイルからpovo2.0に乗り換えてしまったが、楽天モバイルとpovo2.0のデュアルSIM運用することで、完全かけ放題が格安で利用できるので、これはこれで快適なのかもしれない。

(Image:povo.jp)

povo2.0では自分のスタイルでデータトッピングを追加できる。たとえば24時間使い放題で330円、1GB(7日間)で390円、3GB(30日間)で990円などがある(画像は「povo」公式サイトより転載)

●povo「#ギガ活」→こちら

(Image:povo.jp)

povo2.0では「#ギガ活」によってデータ通信量をもらうことも可能だ。特典は約1週間後にメールで30日間有効のコードが送信される方式である(画像は「povo」公式サイトより転載)

そもそも楽天モバイルは、自社回線エリア外ではパートナー回線としてau回線にローミングされることになっている。そのため、au回線のpovo2.0とは実に相性がいい。

ただし、この2社でデュアルSIM運用するとメインが楽天回線かau回線になってしまうので、やっぱりメイン回線はドコモが安心という人もいるだろう。

どうしてもドコモ回線と楽天モバイルでデュアルSIM運用したいということなら、やはり、月1GBで月額290円と激安で利用できる日本通信「合理的シンプル290プラン」がおすすめとなる。

合理的シンプル290プランは、月1Gで月額290円が基本料となり、あとは利用状況に応じて1GBにつき220円でデータ量を追加する方式だ(上限は100GBまで)。

●日本通信「合理的シンプル290」(公式)は→こちら

(Image:nihontsushin.com)

「合理的シンプル290」は月1GBで290円を基本とし、1GB追加するごとに220円が加算される方式。上限は100GBだが、月5GB以上では必ずしも最安値ではないので注意したい(画像は「日本通信」公式サイトより転載)

楽天モバイルを0円運用していたユーザーは、ほとんどネットに接続していなかった人が多いはず。そのような人にピッタリなのが、NTTグループの格安SIM「OCN モバイル ONE」の「500MB/月コース」だ。

OCN モバイル ONEの500MB/月コースは、月500MN(0.5GB)まで月額550円で、月10分までの無料通話も含まれている。

もちろん、月500MBではデータ量が少なすぎて、WebサイトやLINEを利用すればアッという間に500MBを消費してしまう。

したがって、OCN モバイル ONEは、あくまでも楽天モバイル回線がメインでイザというときのサブとしてドコモ回線を使いたい人向けとなる。

●OCN モバイル ONE(公式)は→こちら

(Image:ntt.com)

データ通信量が月500MBでは心もとないが、月10分までの無料通話が含まれていることを考えると、月額550円はかなり安い(画像はOCNモバイルONE公式サイトより転載)

OCN モバイル ONE 【NTTコミュニケーションズ】|ドコモのエコノミーMVNO

まとめ

いかがだろうか? 何も考えずにさっさと楽天モバイルからpovo2.0に乗り換えてしまった筆者だが、その後、楽天モバイルの完全かけ放題を手放したことについては、少し気になっていた。

もし、スマホでかなり電話をかけるという人は、データ通信料だけでなく通話料のことも考慮したほうがいいだろう。

ちなみに、楽天モバイルは2022年7月1日から新プランに移行されるが、月1GBまでなら7月・8月までは0円、9月・10月までは1,078ptがポイント還元されるので、実質無料で利用することができる。

この間に、楽天モバイルに乗り換えるべきか、そのままキープすべきか、よく検討してもらいたい。

なお、すでに楽天モバイルからの乗り換え先を検討しているということなら、こちらの記事が参考になるだろう。

すずきあきら
編集・ライター。パソコン通信時代からネットワークに接しWi-Fiやインターネット、SNSなどに精通。30年に渡って、パソコンやスマホ関連のムック本や雑誌記事を手がけてきた大ベテラン。最近は格安SIMなどのケータイ料金やアプリ、通信費全般の記事を執筆することが多い。

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