10ギガ「フレッツ 光クロス」なのになぜ遅い!? 自宅のハブとLANケーブルに落とし穴が

先日筆者は10ギガ対応の「フレッツ 光クロス」が導入可能な中古マンションに引っ越しました。無事に工事が終わったものの、自宅のWi-Fi速度は90Mbps程度しか出ておらず、まったく速くありません。そこで、いろいろ調べた結果、室内のスイッチングハブとLANケーブルがボトルネックになっていることが判明! 最終的には工事費が10万円もかかってしまったのです。そこで今回は、筆者が実際に体験した10ギガ対応フレッツ 光クロス導入の顛末を詳細に解説しましょう。

中古マンションで「フレッツ 光クロス」を導入したものの全然遅いのはなぜ!? 

子どもが大きくなって部屋が手狭になったこともあり、筆者は先日、築9年の中古マンションに引っ越しました。

このマンションでは現在最速の10ギガ(10Gbps)対応「フレッツ 光クロス」を導入できることがわかり、仕事柄テレワーク、Web会議、データのやり取りをすることが多い筆者は、すぐに申し込むことにしたのです。

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NTT東日本の「フレッツ 光クロス」

こちらが今回申し込んだ10Gbpsの高速回線を実現できるNTT東日本の「フレッツ 光クロス」。マンションタイプの初期工事費は約2万円かかりました(画像はNTT東日本公式サイトより転載)

その後、約2万円の初期工事費を払って、無事に自宅マンションに10ギガ対応のフレッツ 光クロスが開通しました。

そこでさっそく、リビングにおいてスマホのWi-Fiでネット回線の速度を測ってみると、なんと90Mbpsしか出ていません。10ギガ本来の速度とは程遠いスピードです。なぜこんなに遅いのでしょうか?

リビングにWi-Fiを設置して計測した速度

こちらが、フレッツ 光クロス導入後リビングのWi-Fiを使ってスマホをネットに接続したときの速度です。10Gbps対応なのに、たった90Mbpsしか出ていません。いったいなぜ?

遅い原因はスイッチングハブとLANケーブルにあった!

せっかく自宅のマンションに10ギガ対応フレッツ 光クロスを導入した筆者ですが、残念ながらスマホのWi-Fiで90Mbpsしか速度がでませんでした。

その原因は、今回の工事で10ギガ対応ONU(光回線終端装置)は玄関の靴箱の上の棚に設置されたものの、すでに設置されているスイッチングハブは1ギガ(1Gbps)までしか対応していないこと。

そして、壁の裏から各部屋に配線されているLANケーブルもCAT5E(1Gbps)なので、10Gbpsには対応していないことでした。

遅い原因はスイッチングハブとLANケーブルにあった!

こちらが筆者のマンションの壁にあるLAN端子です。「カテゴリ5E(CAT5E)」なので1,000Mbps(1Gbps)までは対応しているのですが、、、(筆者撮影)

つまり、9年前のマンションではLANの速度が100Mbps~1Gbps(1,000Mbps)程度までして想定されておらず、10Gbpsのフレッツ 光クロスなどにはまったく対応できていなかったというわけです。

遅い原因はハブとLANケーブルにあった1

今回の工事で自宅にはONU(光回線終端装置)が導入されていますが、その先のスイッチングハブとLANケーブルが10Gbpsには非対応だったため、本来の速度が出ないことが分かりました(図は筆者作成)

遅い原因はハブとLANケーブルにあった2

こちらがフレッツ 光クロスを工事する前に撮影した玄関の靴箱上の棚の様子。スイッチングハブは1ギガ(1Gbps・1,000Mbps)までしか対応しておらず、そこから各部屋に分配されたLANケーブルも10Gbps非対応のものが使われていました(筆者撮影)

最悪、スイッチングハブは10Gbps対応のものに交換することも可能ですが、すでに壁の裏から各部屋に配線されているLANケーブルまで交換するのは、とんでもない工事費が必要になります。

自分ではどうすることもできないので、とりあえず、玄関の靴箱上の棚にWi-Fiルーターを設置してみました。

しかし、リビングや各部屋までには壁や扉がいくつもあるため、スマホのWi-Fi実測値は190Mbpsどまり。やはりフレッツ 光クロス本来の速度は出ませんでした。こんなことなら無理せず、料金の安い1ギガで契約すればよかった。トホホ……。

こちらが玄関の靴箱上にWi-Fiを設置して計測した速度1

玄関の靴箱上の棚のONUにWi-Fiルーターを接続してみたものの、途中に壁や扉があるため、リビングでは190Mbpsまでしか出ませんでした

こちらが玄関の靴箱上にWi-Fiを設置した図

こちらが配線図です。10ギガ対応フレッツ 光クロスのONUに直接Wi-Fiルーターを接続してみましたが、各部屋やリビングでは電波が減退して本来の速度はでませんでした(図は筆者作成)

工事費7万円を追加してようやく10ギガを実現!

というわけで、せっかく10ギガのフレッツ 光クロス本来の速度を出せなかった筆者ですが、どうしても納得できません。

そこで、内装工事をやってもらった業者さんに、玄関の靴箱上の棚からリビングまでLANケーブルの配線工事をできないか相談してみました。

ところが、工事代金はm/単位になると言われ、その見積金額は約7万円とのこと! これにはかなり悩みましたが、「せっかくの10ギガを体感したい!」という欲望が勝り、結局、LANケーブルの配線工事を依頼することにしたのです。

工事費7万円を追加してようやく10ギガを実現1

こちらが今回依頼した工事の概略図です。玄関の靴箱上の棚のONUから10ギガ対応LANケーブルをリビングまで新設し、そこにWi-Fiルーターを設置することにしました。これでリビングだけは10ギガに対応できるはずです(図は筆者作成)

工事費7万円を追加してようやく10ギガを実現2

こちらが7万円の工事後の玄関の靴箱上の棚のなかです。ONUから直接10ギガ対応のLANケーブルを接続して、これを壁の裏からリビングまで配線してもらいました(筆者撮影)

というわけで、フレッツ 光クロスの初期工事費が2万円、さらにリビングまでLANケーブルを設置する工事費が7万円、合計10万円を支払って、ようやく自宅のリビングに10ギガを実現することができたのです。ちなみに、今回は新たにWi-Fiルーターも10Gbps&Wi-Fi 6対応のバッファロー「WXR-6000AX12P」を約3万円で購入してリビングに設置したので、この費用まで含めると13万円の出費になりました。

Wi-Fiルーターは10Gbps&Wi-Fi 6対応のバッファロー「WXR-6000AX12P」

Wi-Fiルーターは10Gbps&Wi-Fi 6対応のバッファロー「WXR-6000AX12P」を追加購入してリビングに設置しました。これだけでも約3万円の出費です(筆者撮影)

リビングにおいてスマホのWi-Fi速度を比較したものです

こちらがリビングにおいてスマホのWi-Fi速度を比較したものです。写真左が工事前で190Mbps、写真左は工事後のもので1.1Gbps(1,100Mbps)を記録。実測値で約5.7倍も速くなりました

さっそく、リビングにおいてスマホのWi-Fi速度を測ってみると、実測値で1.1Gbpsを記録しました。当初は190Mbpsだったので、約5.7倍も高速になっています!

やはり、玄関にWi-Fiルーターを置いたときとはまるで違う速度なので、ようやく10ギガ対応フレッツ 光クロスの速度を体感することができました。

まとめ

いかがでしょうか? 9年前のマンションに引っ越して何も考えずに10ギガ対応フレッツ 光クロスを導入した筆者ですが、自宅のスイッチングハブやLANケーブルが10ギガ非対応であることはまったくの盲点でした。

結局、NTT東日本の初期工事費2万円+自宅のLANケーブル工事費7万円=約10万円を払うことになってしまったので、もし、古いマンションで10ギガ対応フレッツ 光クロスを導入しようと思っている人は、自室のLAN環境がどうなっているか、事前に調べてからにしたほうがいいでしょう。

なお、自宅のWi-Fiが遅いと感じたら、こちらの記事を参考にしてください。もしかしたら意外なことが原因かもしれませんよ。


オトナライフ編集部
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