「光回線サービス」23年上期は加入者数が減少傾向、背景にテレワーク需要の収束?【MM総研調べ】

MM総研の12月7日の発表によると、2023年度上期のブロードバンド市場において、FTTH(光回線サービス)の純増数が2003年度以降で過去最低となったことがわかった。コロナ禍のテレワーク需要で利用の普及が一気に進んだ反動ともみられる。一方で、市場シェアを拡大している事業者も現れている。現在のFTTH市場の動向について、詳しくお伝えしていこう。

高品質・大容量の回線サービスで「NURO光」が拡大

FTTH契約数・回線事業者シェア(23年9月末)

市場全体の純増数が減少するなか、ソニーネットワークコミュニケーションズの「NURO光」が健闘した(「MM総研」調べ)

NTTの光回線(フレッツ光およびコラボ光)の合計契約数は東西合わせて2363.2万件、市場シェアは59.2%で、3月末の59.6%からわずかに減少している。

注目すべきは、他社がNTTの光回線を利用して提供する「コラボ光」の動向だ。なかでも順調に契約数を伸ばしたのがソニーネットワークコミュニケーションズである。同社は宮城県でのエリア拡大や広島県での10Gbpsサービスに対応したNURO光などの新規契約が増加し、市場シェアは前年同期比0.2ポイント増となる3.7%を獲得し、高品質で大容量の回線を前面に打ち出したサービスが成果を上げている。

FTTH加入者数減少傾向? 2023年 期の市場シェアを徹底分析

固定ブロードバンド契約数の推移・予測

ワイヤレス利用者がFTTHへ移行する傾向があり、質の高い通信サービス提供が求められている(「MM総研」調べ)

2023年9月末のサービスブランド別のFTTH契約数では、NTTドコモの「ドコモ光」が724万件で首位を維持、また、固定ブロードバンド市場においてもNTTドコモがグループ再生により、ソフトバンクを抜いて首位を獲得するなど健闘をみせた。

2023年度下期のFTTH市場は、ADSLユーザーの一部乗り換えにより純増数が37.5万件になると予測されているが、これは年間純増数が100万件を下回り、2003年以降で最低となる見通しだ。それでも、事業者間の顧客の乗り換えは増え、新規顧客獲得の競争は激化している。加えて、10Gbpsの高速大容量サービスやメッシュWi-Fiによる宅内通信環境の最適化など、サービスの高品質化が進んでいる。

一方で、ワイヤレス市場は単身世帯などのニーズを捉え、拡大を続けている。2023年度以降の3年間で年平均成長率は9.3%が見込まれ、市場の成長が期待される。安定した通信を求めるワイヤレス利用者がFTTHへ移行する傾向があり、5G対応ホームルーターやサービスエリア拡大など、より高品質な通信サービスが求められている。FTTHとワイヤレス市場の動向は、今後も通信業界の重要な指標となるだろう。

出典元:【MM総研

オトナライフ編集部
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