「AirPods Pro」の第1世代と第2世代を比較!4万円払って買い替えるほどの価値はある?

ノイズキャンセリング機能が搭載されたApple社のワイヤレスイヤホン「AirPods Pro」。インナーイヤー型である「AirPods」と異なり、同商品はカナル型になっています。現在は第2世代まで販売されていますが、果たして第1世代と大きな違いはあるのでしょうか? そこで、「AirPods Pro」の第1世代と第2世代を実際に購入し、着け心地や音質、機能性などを比べてみました。

「AirPods Pro」第1世代と第2世代のデザインやサイズ、着け後心地を比較!

見た目・大きさ・重さはほとんど変化ナシ!

「AirPods Pro」の第1世代(写真左)と第2世代(写真右)

まずは、第1世代と第2世代のサイズと見た目をチェックしていきます。充電ケースのサイズは45.2(高さ)×60.6mm(幅)×21.7mm(厚さ)で両世代とも変わらず、イヤホンの左右それぞれのサイズも30.9(高さ)×21.8mm(幅)×24.0mm(厚さ)で同じになります。

「AirPods Pro」第1世代用の保護ケース(ハード)は、第2世代にもピッタリフィットしました

またイヤホン自体の重量も、第1世代は左右各5.4g、第2世代は左右各5.3gで、わずか0.1gの差しかありませんでした。

イヤホンの大きさや重量は、第1世代も第2世代もほぼ変わっていません

強いて言えば、第2世代の充電ケースには側面に“ストラップホール”が追加され、底面にはスピーカーを搭載。「AirPods Pro」がどこにあるのか分からなくなった場合、充電ケースから音を鳴らすことができるようになりました。

第2世代の充電ケースの側面には“ストラップホール”が、底面にはスピーカーがそれぞれ追加されました

第2世代の充電ケースにストラップを付けることが可能に(画像は「Apple」公式サイトより引用)

着け後心地を確認

サイズや見た目はほとんど同じことが分かりましたが、着け心地に違いはあるのでしょうか?実際にそれぞれ装着してみたところ、どちらもフィット感が良く、違いを感じることはできませんでした。

イヤホンの形状も重量もほとんど変わりがないため、どちらの世代でも快適な装着感を味わうことができます。

「AirPods Pro」第1世代を着けたときの様子

「AirPods Pro」第2世代を着けたときの様子

ちなみに、第1世代ではイヤーピースが「S・M・L」の3種類付属しており、第2世代では「XS」が加わって「XS・S・M・L」の4サイズ展開になっています。どちらも標準装備はMサイズですが、あまり耳にフィットした気がしない場合は、“違うサイズ”につけ替えてみると良いかもしれません。

「AirPods Pro」第2世代を購入した時についてくるイヤーピース

「AirPods Pro」第1世代と第2世代の通話時や音楽鑑賞時の音質をチェック!

「AirPods Pro」第2世代に搭載されている最新のH2チップ(画像は「Apple」公式サイトより引用)

続いて、最も重要な“音質の違い”を確認していきます。まず通話に関しては、どちらの世代もクリアに通話先の声が聞こえ、ストレスを感じることなく声を聞き取れました。また、こちら側の声もしっかり相手に聞こえているようで、「声が小さくて聞き取りにくい」「雑音がひどい」という問題も特に起きませんでした。

次に、音楽を聴く際の音質をチェック。「AirPods Pro」といえば癖のない音色を再現し、バランスの良さに定評があります。実際に、第1世代では重低音にもしっかり厚みがあり、高音も不快感は一切なく、解像度の高い音をストレスフリーで聴くことができました。

一方、第2世代でも、第1世代に備わっているニュートラルな音をしっかりと引き継いでおり、高級感のある音質を実現。第2世代では、鮮明でクリアな高音と深みのある豊かな低音をより忠実に再現する「H2チップ」を採用していることもあり、第1世代にはなかった“音に包み込まれるような感覚”を味わえました。

とはいえ、「劇的に音質が良くなった!」とまでは言い切れず、素人の立場からすると、第1世代でも十分満足のいく音質を体験できます。そのため、音に対してこだわりを持っている場合を除けば、両世代の“音質の差”はそこまで気にならないでしょう。

「AirPods Pro」第2世代、第1世代よりも優れた機能性は?

イヤホン本体での音量調整が可能に

「AirPods Pro」第2世代では、本体の“くぼみ”を指先でスライドさせると音量調整ができます。精度もかなり高く、軽めのスライドでしっかりと反応しました

音質以外にも様々な機能を向上させている「AirPods Pro」第2世代。特に嬉しかったのは、「タッチコントロールによる音量調整」が可能になった点と、「ノイズキャンセリング機能の性能アップ」でした。

そもそも第1世代では、音量調整を行う際にスマートフォンによる操作のみとなっていましたが、第2世代ではタッチセンサーが新たに搭載され、イヤホンの“くぼみ部分”を上下にスライドすることで音量調整が可能に。

スマホをポケットやかばんに入れている時、音量を変えるためだけに出し入れするのが煩わしかったものの、イヤホン本体で調整を行えるようになったのは、第2世代の強みになっています。

ノイズキャンセリング機能がパワーアップ!

ノイズキャンセリングマイクと後部の通気口は、外から入ってくる音を最もすばやく検知できる場所に配置されました(画像は「Apple」公式サイトより引用)

そして第2世代で最大の特徴となるのが、雑音を消してくれる“ノイズキャンセリング機能”です。第1世代にももともと備わっている機能ですが、第2世代では性能がさらに向上し、第1世代の最大2倍の効果を発揮します。

正直なところ、第1世代でも十分機能性があるため、「2倍と言ってもそこまで変わらないのではないか…?」と思っていましたが、実際に使ってみると、かなり違いがあることを実感できました。

特に電車内や車の交通量が多い道路などの近くで利用すると、その差は一目瞭然。従来以上に雑音が入ってこなくなったため、音楽や動画視聴はもちろん、ビジネスシーンなどにおいても、集中したい時にはうってつけかもしれません。

「AirPods Pro」第1世代から第2世代に買い替えるべき?

「AirPods Pro」の第1世代と第2世代は、そこまで大差ない…?

「AirPods Pro」の第1世代と第2世代で、着け心地や音質、機能性などを比較してみましたが、やはり最新モデルである第2世代の方がスペック的には高くなっていました。

しかしすでに第1世代を持っている人であれば、第2世代にわざわざ買い替えるほどでもないかもしれません。というのも、第2世代の価格は39,800円(税込)で、約4万円近くもします。音質やスペックが格段に向上したのであればいいのですが、いずれの性能も第1世代で十分満足できる気がします。

例えば、第2世代では第1世代の「Bluetooth 5.0」よりも優れた「Bluetooth 5.3」を採用しており、よりスムーズな接続や音の遅延などをなくしています。しかし第1世代でも、動画視聴時に音の遅延が発生することはなく、iPhoneとの接続もスムーズに行えていたため、「Bluetooth 5.0」でもさして問題はなさそうです。

また第2世代は充電の持ちも良くなり、充電ケース利用時の再生時間は最大30時間ですが、第1世代でも24時間以上となっているため、十分ではないでしょうか。

もちろん、音質や操作性、ノイズキャンセリング機能に強いこだわりがある人は、第2世代の方が向いているかもしれませんが、基本的には第1世代と比べて“特段に性能がアップしたわけではない”ということが今回分かりました。

参考元:【AirPods Pro(第1世代)の仕様
参考元:【AirPods Pro(第2世代)の仕様 1 / 2

若林勇希
編集・ライター。編集プロダクションやライティングスクールの講師として5年以上WEBライター業に携わっており、現在は独立してフリーライターとして活動中。これまで様々なジャンルを手掛けてきたが、最近はガジェットやスマホ関連の記事を執筆することが多い。「老後2000万円問題」のために、iDeCoやつみたてNISA、貯蓄型保険なども実践している。

Twitter:@webwriter888

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