OPPOスマホならトリプルSIMも可能!− 物理SIM2枚+eSIM1枚で運用してみた

最近のスマホでは物理SIMカードのほかに、スマホ内部のチップ「eSIM(イーシム)」も一般的になってきました。そこで、キャリアの大規模通信障害に備えて2つの回線で待ち受けができるデュアルでSIM運用している人もいるでしょう。でも、OPPOのスマホでは物理SIMカードが2つあり物理SIM×2+eSIM×1=トリプルSIM登録も可能となっているのです。いったいどのように運用できるのでしょうか?

eSIMって何? デュアルSIM運用ってどういう意味?

そもそもスマホで電話をかけたりネットに接続するには「SIM(シム)カード」を装着する必要があります。

このSIMカードにはICチップが乗っており、電話番号や契約情報などが記録されています。

こちらが一般的な物理SIMカードです。ICチップに電話番号や契約情報などが記録されており、これをスマホに入れないとスマホは機能しません(筆者撮影)

そのようなSIMカードですが、最近はスマホ本体に内蔵されたチップを利用した「eSIM(イーシム)」を利用できるスマホもかなり増えてきました。

たとえば、iPhoneでは2018年9月発表以降の機種(XR/XS以降)が対応していますし(Xや8は非対応)、AndroidスマホでもeSIM対応機種が一般的になっているのです。

eSIMなら、物理的にSIMカードを差し替えたりする必要はなく、手軽に電話番号や契約情報を書き換えられるので、自宅に居ながらスマホの契約をネットで申し込んで、即日開通することも可能です。

eSIMとは、スマホ本体に内蔵された書き換え可能なチップのこと。物理SIMカードのICチップ部分が、スマホに内蔵されていると考えればイメージしやすいでしょう

eSIMのメリットはそれだけではありません。最近のスマホは物理SIMカードスロットとeSIMの2つのSIMが利用できるため、2つのキャリアと契約して「デュアルSIM」運用することも可能となっています。

最近のデュアルSIM対応スマホは、ほとんどが同時に2つの回線を待ち受け可能なので、仮にドコモが大規模通信障害になってもauやソフトバンクなど、他キャリアに切り替えて通信ができます。

このスマホでは、ドコモ回線とKDDI(au)回線のデュアルSIM運用を行っています。ドコモ回線のLIBMOは物理SIM、au回線のpovo2.0はeSIMで登録しており、通話とネットをそれぞれのSIMに割り当てることができます(筆者撮影)

OPPO Renoシリーズなら物理SIMカード2枚+eSIMのトリプルSIM登録も可能!

現在販売されている、iPhoneやAndroidスマホの多くがeSIMに対応していますが、ほとんどの機種で、物理SIMのカードスロットには1枚のSIMカードしか挿せません。

現在発売されているスマホの多くはeSIMに対応していますが、物理SIMのカードスロットには1枚のSIMカードしか挿すことができません(筆者撮影)

しかし、OPPO Reno5 AやReno7 A、Reno9 A、Reno10 Pro 5Gなどは、物理SIMカードスロットに2枚のSIMカードが装着可能です。

■物理SIMカード×2+eSIMのOPPOスマホ
OPPO Reno5 A
OPPO Reno7 A
OPPO Reno9 A
OPPO Reno10 Pro 5G
OPPO OPPO A79 5G  など
※物理SIMカードスロットはSDカードと排他使用
※OPPO Reno10 Pro 5GはSDカード非対応

つまり、ひとつのスマホに物理SIMカード2枚とeSIMのトリプルSIMを登録することが可能となっているわけです。

ただし、このSIMカードスロットはSDカードと排他使用になるため、物理SIMカードを2枚搭載するときは、SDカードが使えなくなります。

また、OPPO Reno10 Pro 5GはそもそもSDカードスロットがありません。

こちらはOPPO Reno5 AのSIMカードスロット。2枚目のSIMカードはSDカードと排他使用となるため、SDカードは搭載できなくなります(筆者撮影)

こちらはOPPO Reno10 Pro 5GのSIMカードスロット。表裏に物理SIMカードを2枚挿せるほか、本体内蔵のeSIMも利用可能となっています。なお、SDカードスロットは廃止されています(筆者撮影)

ちなみに、同じOPPO Renoシリーズでも、ワイモバイルから発売されているモデルはSIMカードスロットがひとつしかない仕様ですので、購入時はくれぐれも型番にご注意ください。

また、最新モデルのOPPO Reno10 Pro 5Gはソフトバンクからも発売されていますが、こちらはSIMカードスロットがSIMフリー版と同じで、物理SIMカードスロットが2つある仕様となっています。

こちらはOPPO Reno7 Aです。SIMフリー版はSIMカードスロットに2枚の物理SIMカードが挿せますが、ワイモバイル版は1枚しか挿せません(画像はAmazon公式サイトより引用)

トリプルSIMは可能でも待ち受けは2回線のみ!

ここまでOPPO Renoシリーズなら、ひとつのスマホに物理SIM×2+eSIM×1=3回線を登録可能と説明しました。

しかし、3回線を同時にスタンバイ(待ち受け)することはできず、実際には2つの回線しかスタンバイできません(デュアルスタンバイ)。

これは、いわゆる「DSDV(Dual SIM Dual VoLTE(デュアル SIM デュアル VoLTE))」と呼ばれるもので、ドコモとau、ソフトバンクと楽天モバイルといった異なるキャリアの組み合わせで、どちらの回線も同時に待ち受けできます。

つまり、OPPO Renoシリーズは3つのSIM(3回線)をスマホに搭載できますが、実際に使えるのは2回線だけということになります。

OPPO Renoシリーズなら物理SIM×2とeSIM×1=3枚のSIM(回線)を同時に登録できます。ただし、待ち受けは2回線のみになります(画像はAmazon公式サイトより引用)

また、OPPOに限らずeSIMには複数の回線情報を登録することが可能なので、ひとつのスマホに4回線以上登録することも不可能ではありません。

しかし、eSIMに2つ以上の回線を登録しても、いずれか1回線しか有効にできないため、eSIM×2でのDSDVはできない点には注意が必要になります。

というわけで、実際にOPPO RenoシリーズでDSDVが可能な組み合わせは、「物理SIM+物理SIM」「物理SIM+eSIM」となります。

■OPPO RenoシリーズでのDSDV
【1】物理SIM+物理SIM
【2】物理SIM+eSIM
※eSIM+eSIMはNGです

なぜ筆者がトリプルSIM運用することになったのか?

実は筆者は、ガラケー(ドコモ)とスマホの2台持ちで、スマホはLIBMO(データ専用の物理SIM)とpovo2.0(eSIM)という組み合わせになっていました。

povo2.0には電話番号もありますがほとんど使っておらず、あくまでも予備のネット回線用として年に数回利用するだけです。

また、LIBMOはドコモ回線で月3GBのデータ専用SIM(SMS機能付き)ですが、株主優待を適用して月額118円で利用しています。

そのような筆者も、ついにガラケーをやめてメインの電話回線をIIJmioに乗り換えたため、ひとつのスマホに3つのSIMを登録しなければならなくなったというわけです。

基本的には、メインの電話回線のIIJmioとデータ専用のLIBMOを2枚の物理SIMでデュアルSIM運用して、eSIMのpovo2.0は予備としてキープしています。

■筆者のトリプルSIM運用の内訳
【物理SIM1】IIJmio(ドコモ回線・通話付)
【物理SIM2】LIBMO(ドコモ回線・データ専用)
【eSIM】povo2.0(au回線・通話付)
※povo2.0はデータ用にキープ
※LIBMOは株主優待で安くなっている

こちらはOPPOの設定画面。基本的に物理SIMカードの「IIJmio」を通話用に、物理SIMカード「LIBMO」とeSIMの「povo2.0」の2枚をインターネット(データ通信)用に使っていますが(左写真)、eSIMをオフにすればLIBMOが有効になります(右写真)

もちろん、通話にeSIMのpovo2.0を割り当て、データ通信に物理SIMカードのIIJmioにすることも可能となっています

もし、電話回線のIIJmioをeSIMで契約してしまうと、eSIMが2枚となってしまうため。povo2.0とのデュアルSIM運用はできません。

どうしても、この2回線でデュアルSIM運用するには、わざわざpovo2.0を物理SIMカードに変更するしかないのです。

このように、ひとつのスマホでトリプルSIM登録する場合は、キャリアと契約しているSIMのタイプには十分注意が必要です。

デュアルSIMカードの管理はどうすればいいの?

OPPO Renoシリーズに限らず、eSIM対応スマホであれば、物理SIMとeSIMでのデュアルSIM運用は簡単にできます。

Androidスマホは機種によって、設定画面が大きく異なりますが、ここではOPPO RenoシリーズとシャープAQUOSでのデュアルSIM運用について紹介します。

デュアルSIMを管理する手順(OPPO)

設定から「モバイルネットワーク」を選択(左写真)。現在は「通話」も「インターネット」もeSIMの「povo2.0」を選択しており、物理SIMの「LIBMO」は使っていな状態なので、「インターネット」をタップ(右写真)

インターネット設定で「LIBMO」のほうにチェックを入れます(左写真)。すると、インターネットはLIBMO(ドコモ回線)で接続されます(右写真)

次に紹介するAQUOSではeSIMの優先順位が高くなっており、電話もネットもeSIMがデフォルトになっています。デュアルSIM運用では「モバイルデータ通信」「通話の設定」「SMSの設定」で優先するSIMを指定しておく必要があります。

デュアルSIMで通話するときの手順(AQUOS)

設定から「ネットワークとインターネット」→「モバイルネットワーク」→を選択。この画面の「+追加」から複数のeSIMを追加可能です(左写真)。「通話の設定」で優先回線を指定できますが「毎回確認」にすると、電話をかける度に「この通話で使用するSIMの選択」画面で回線を選択することになります(右写真)

eSIMを追加する手順(OPPO)

OPPOでeSIMを追加するときは、「モバイルネットワーク」から「eSIM」を選択し(左写真)、「eSIMの追加」で複数のeSIMが登録可能です(右写真)。ただし、実際に利用できるのは1回線のみになります

まとめ

いかがでしょうか? 今回はOPPO Renoシリーズで3枚のSIMを登録してデュアルSIM運用する方法について解説しました。

他社のAndroidスマホでも物理SIM+eSIMでのデュアルSIM運用は可能です。また、eSIMにも複数の回線が登録できるのですが、いずれか1回線しか有効にできません。

これに対し、OPPO Renoシリーズなら物理SIMのカードスロットが2つあるので、物理SIM+物理SIMのデュアルSIM運用も可能となっているのです。

もし、なんとなくeSIMが苦手な人や、筆者のように複数のSIMカードを契約している場合でも、OPPO Renoシリーズならある程度は対応できるようになります。

なお、iPhoneの場合はiPhone 13以降のモデルなら、eSIM+eSIMのデュアルSIMの組み合わせにも対応しています。

すずきあきら
編集・ライター。パソコン通信時代からネットワークに接しWi-Fiやインターネット、SNSなどに精通。30年に渡って、パソコンやスマホ関連のムック本や雑誌記事を手がけてきた大ベテラン。最近は格安SIMなどのケータイ料金やアプリ、通信費全般の記事を執筆することが多い。

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