カップルの健全な関係を育むために、弁護士が監修した性的同意サービス「キロク」の正式版が2023年12月14日にリリースされました。利用は無料で、アプリをダウンロードすることなく利用中のメールアドレスの登録で気軽に利用することができます。
不同意性交等罪（刑法177条）の新設が「キロク」開発の背景
「キロク」が開発されたのは性犯罪刑法改正がきっかけ（画像は「アプリ『キロク』」プレスリリースより引用）
性的同意サービス「キロク」が開発された背景には、「不同意性交等罪（刑法177条）」が新設されたことが挙げられます。2023年7月13日に性犯罪の刑法改正のために、「強制性交等罪」「準強制性交等罪」が統合し、「不同意性交等罪（刑法177条）」が新設されました。また、「不同意わいせつ罪（刑法176条）」も、「強制わいせつ罪」と「準強制わいせつ罪」が統合されて新設されています。
「不同意性交等罪（刑法177条）」では、同意のうえの性交などでも、後から相手が同意していないと申告すると、密室で同意したことを証明することが困難なため、加害者として罪に問われる可能性があります。
罪に問われないためには、「性的同意書」を準備しなければなりません。しかし、性交などの前に紙を準備し記名・捺印をおこなうことに「雰囲気が壊れてしまう」など懸念の声があがっていることが現状です。
「キロク」における同意項目画面 その1（画像は「アプリ『キロク』」プレスリリースより引用）
「キロク」における同意項目画面 その2（画像は「アプリ『キロク』」プレスリリースより引用）
そこで、性交などの同意を気軽にできるよう、性的同意サービス「キロク」が開発されました。「キロク」はアプリをダウンロードすることなく、WEB上で同意をすることができます。専用サイトにアクセスし、メールアドレスを登録するだけで気軽に利用できます。事前に登録しておけば、性的同意の懸念点であった雰囲気が壊れることなく性的同意ができるのではないでしょうか。
安心して利用できる工夫も
サービス共有時に役立つ公式キャラクターのLINEスタンプを発表予定（画像は「アプリ『キロク』」プレスリリースより引用）
「キロク」は安心して利用できるよう、セキュリティ強化などをおこなっています。性的同意をおこなった記録はアプリ内で蓄積されるため、万が一のことがあった場合には証拠として使用できます。
また、カップルなどが「キロク」を共有する際や、サービスの利用前後のやりとりで使用できるよう、公式キャラクターのLINEスタンプも発表予定です。
これまでになかったサービスの利用は、「ハードルが高い」と感じる人もいるかもしれません。そんな中で、「キロク」は多くの人に安心して利用してもらえるよう、さまざまな工夫がされています。同サービスの普及によって、性的同意のない性交などが起こらないことを願うばかりです。
●性的同意サービスの登録はこちら→キロク
※サムネイル画像は（Image:「アプリ『キロク』」プレスリリースより引用）
