Chrome OSのログインできない問題は、実は「たった1文字のタイプミスが原因」だった?

プログラムとは、高度な操作ができるようになる分、わずかのミスも許されないとても繊細なものなのだとあらためて感じる一件だ。ここ最近、グーグルの開発するOS「Chrome OS」で、立て続けに致命的な不具合が確認されている。しかも最も新しい不具合は、デバイスにログインすることすらできなくなるようで…。これではChrome OSを搭載するChromebookのユーザーも、「OSの最新バージョンが出たから」と気軽にアップデートをかけるのもためらわれることになりかねないだろう。今回は、Chrome OSで起きている数々の不具合についてお伝えしていきたい。

Chrome OS、アップデートで“ログインできない”事態に!

(Image:DCStockPhotography / Shutterstock.com)

日本ではGIGAスクール構想の一環で、学校ではChromebookが生徒1人に1台が配布されている

 ことの発端はグーグルが6月末に公開したChrome OSの「バージョン91.0.4472.147」だ。このアップデートを実行した一部のChromebookユーザーから「動作が遅くなった」という不具合報告があがったという。事実、デバイスに搭載されたCPUに過剰な負荷がかかってしまいパフォーマンスが低下していることが確認された。

 グーグルはChrome OSを以前のバージョンに戻すことでこの不具合に対処。その後、不具合を解消したバージョン91.0.4472.147を再度公開してことなきを得た……のだが、今度は新たな「バージョン91.0.4472.165」で、さらに大きな不具合が発生。アップデートした多くのユーザーが「パスワードを入力してもログインできない」「ブートループ(再起動ループ)に陥ってしまったというのだ。

 “ログインできない”問題の一刻も早い解消のため、デバイスを製品出荷時の状態へと戻す「Powerwash」と呼ばれる操作を実行し、OSを強制的に過去のバージョンに戻すユーザーなども現れたという。しかしそれによって、デバイス内に保存されていた重要なファイルが失われてしまったユーザーも多く、「多くの被害が出ている」と伝えられている。

(Image: CC Photo Labs / Shutterstock.com)

たった1文字のタイプミスで世界中の人を困らせることができるもの恐ろしいことだが

 この“ログインできない”問題、なんと「たった1文字のタイプミスが原因だった」と各所で報じられている。公開されているプログラムを確認した有志が海外の掲示板で指摘した内容によれば、正しくは「if (key_data_.has_value() && !key_data_->label().empty()) {」と記すべきプログラムを、「if (key_data_.has_value() & !key_data_->label().empty()) {」と、value()の後ろの「&」が1個少なかったのだという。

 筆者がプログラムにあまり明るくないタイプだからかもしれないが、間違いの部分を教えてもらって2文を見比べてもサッと間違いにたどり着けない…。「プログラムとはかくも繊細なものなのだな…」と、私たちの便利なデジタルライフを支えてくれているプログラマーの努力に頭が下がる思いだ。

 実は、さる7月8日は2009年にグーグルがChrome OSの開発を発表して12年目を迎える節目の日でもあった(リリースは2011年)。せっかくの記念日の時期に大きな不具合を起こしてしまったChrome OSだが、信頼を取り戻すためにも今後の開発に期待を寄せていきたい。

参照元:たった1文字のタイプミスで大量のChrome OSデバイスがログイン不可になってしまう【GIGAZINE

※サムネイル画像(Image: CC Photo Labs / Shutterstock.com

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