健康保険証が12月2日に廃止決定で「マイナ保険証」に一本化されるけどどうすればいい?

現在、マイナンバーカードと健康保険証を一体化した「マイナ保険証」は7,193万人が利用手続きを済ませており、ほとんどの病院や薬局でマイナ保険証での受付が可能な状態にあります。そこで政府は、いよいよ健康保険証の廃止日を2024年12月2日に決定しました。もちろん、すでにマイナ保険証の手続きが終わっている人なら何の問題もありませんが、いまだにマイナンバーカードさえ持っていない人は、いったいどうすればいいのでしょうか……? 

マイナ保険証って何? 健康保険証が使えなくなっても平気なの!?

政府はマイナンバーカードの早期普及を目指すために、1人最大2万円がもらえるマイナポイント制度を実施しましたが、その条件のひとつに「健康保険証としての利用申込み」が含まれていました。

この手続きを済ませれば、マイナンバーカードに健康保険証が組み込まれ「マイナ保険証」として使用できるため、病院や薬局もマイナンバーカードがあれば受付可能となっています。

この写真のような「マイナ受付」ポスターが貼ってある病院や薬局なら、マイナ保険証での受付が可能となっています(筆者撮影)

マイナ受付に対応する病院や薬局では、写真のような機器が設置されています。ここにマイナンバーカードを挿入して、顔認証するか暗証番号を入力すれば、簡単に受付が完了します(筆者撮影)

やはり、マイナポイント制度の効果は大きく、デジタル庁の資料によると、すでにマイナンバーカードに健康保険証の利用登録をした人は7,193万人以上。これはマイナンバー交付枚数の実に73.8%に相当します。

また、マイナンバーカードの申請受付は2024年1月7日時点で累計99,103,349人が行っており、人口に対する割合は約79%に達しているのです。

●デジタル庁「マイナンバーカードの普及に関するダッシュボード」は→こちら
●総務省「マイナンバーカード交付状況について」は→こちら

(Image:digital.go.jp)

デジタル庁公式サイトによると、すでにマイナンバーカードに健康保険証の利用登録を済ませた人は7,193万人で、マイナンバーカード所有者の73.8%に当たります(画像はデジタル庁公式サイトより引用)

また、医療機関や薬局などでは2023年4月からオンライン資格確認の導入が原則義務付けられており、2024年1月7日時点で、すでに医療機関や薬局全体の接続率は91.6%となっています。

●厚生労働省「オンライン資格確認の都道府県別導入状況について」は→こちら

このような現状を踏まえ、政府は2023年12月22日、健康保険証の廃止日を2024年12月2日に決定しました。

これによって、2024年12月2日以降は健康保険証の新規発行は停止され、マイナンバーカードに健康保険証が登録された一体型の「マイナ保険証」へ移行することになったのです。

「マイナ保険証」がない人はどうすればいいの?

政府が健康保険証の廃止日を2024年12月2日に決定しましたが、いまだにマイナンバーカードすら申請していない人もいます。このような人はどうすればいいのでしょうか?

まず、現状マイナンバーカードを持っていない人は、スマホから簡単に申請できます。もし、スマホがない、あるいはスマホから上手く申請できない人は、最寄りの役所に出向いて相談したほうが早いでしょう。

●地方公共団体情報システム機構「マイナンバーカード総合サイト」は→こちら

●マイナンバー総合フリーダイヤル
0120-95-0178
平日:9:30〜20:00、土日祝:9:30〜17:30

(Image:kojinbango-card.go.jp)

まだマイナンバーカードを取得していない人は、「マイナンバーカード総合サイト」からオンライン申請しましょう(画像はマイナンバード総合サイトより引用)

次に、マイナンバーカードをすでに所有している人は、スマホでマイナポータルにアクセスするか、セブン銀行ATMを使って健康保険証の利用申請が可能となっています。

●マイナポータル(公式)は→こちら
●厚生労働省「マイナンバーカードの健康保険証利用について」は→こちら

マイナポータルにログインする手順

こちらがマイナポータルのログイン画面。まずは「登録・ログイン」をタップしましょう(左写真)。次に数字4ケタの暗証番号を入力して「ログインする」を押します(右写真)

この画面になったら、マイナンバーカードを図のようにスマホの背面にかざします(左写真)。認証が終わり「カード読み取りに成功しました」と表示されればログインは完了です(右写真)

登録状況の確認欄で「確認」を押しましょう(左写真)。すると、健康保険証が登録済かどうか確認できます(右写真)。もちろん、筆者は健康保険証の利用登録済です

(Image:mhlw.go.jp)

スマホがない、あるいはスマホで上手く登録できなかった場合は、セブン銀行ATMから健康保険証の利用申請をすることが可能となっています(画像は厚生労働省公式サイトより引用)

マイナンバーカードを取得しやすくなる方策も実施中!

2024年12月2日に政府が健康保険証の廃止を決定したことに対しては賛否あるようですが、さすがに政府のほうでも、ある程度はマイナンバーカードを取得しやすい対策や、マイナ保険証がない人向けの措置もしっかり取っています。

まず、これまでマイナンバーカードの申請から1〜2カ月かかっていた交付処理期間を、1週間(最短5日)で発行できる特急発行・交付体制を実施しています。

次に、2023年12月15日から暗証番号を設定せずに利用できる「顔認証」マイナンバーカードの交付も始まりました。

また、障害や病気など、やむを得ない事情で役所に行けない人に対しては、代理人に対しても交付できるようにしていますし、郵便局でマイナンバーカードを交付できるようにする計画もあるそうです。

さらに、発行済みの健康保険証については廃止されたあとも最大1年間は使用できるほか、健康保険証の廃止までにマイナ保険証を保有していない人には、申請不要で全員に健康保険証の内容が記載された「資格確認書」が無償で発行されるのです(有効期限は5年以内)。

●厚生労働省「マイナンバーカードと健康保険証の一体化について」は→こちら(PDF)

(Image:mhlw.go.jp)

資格確認書については、本人申請から申請不要でマイナ保険証を所有していない人全員に配布。マイナ保険証の利用登録を解除可能に。有効期限も1年から5年以内に延長され、さらに更新も可能としています(画像は厚生労働省公式サイトより引用)

まとめ

いかがでしょうか? 筆者は病院や薬局で頻繁にマイナ保険証を使っていますが、顔認証で受付を済ませているのでけっこう便利だと感じています。

少なくとも、2024年12月2日には現行の健康保険証は廃止されることが決まっていますので、もし、すでにマイナ保険証を保有しているのなら、せっかくなのでぜひ一度使ってみてください。

もちろん、まだマイナンバーカードやマイナ保険証を持っていない人は、年内に申請したほうがいいでしょう。

藤原博文
編集・ライター。長年、パソコンやスマホ、サブカル関連雑誌の編集部を渡り歩いてきた編集者。個人的に株式、投資信託、FXなどの投資活動を活発に行っているほか、クレカや電子マネー、スマホ決済アプリなどのポイ活にものめり込み、最近はマネー系の記事も数多く手掛ける。

関連記事

TOPICS
ヘルス・ライフ最新記事

RANKINGランキング

18:00更新